映画はアリスから始まった
2022年/アメリカ/103分
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イントロダクションINTRODUCTION
“記録するだけの映像は退屈。映画で物語をつくったらどうかしら―?”
リュミエール兄弟がシネマトグラフを発明した「映画誕生の年」、1895年。その時すでに、アリス・ギイは映画の“物語る力”に可能性を見出していた―
クローズアップ、特殊効果、音の同期…現在の標準的な映画製作技法を次々と生み出し、世界初の物語映画『キャベツ畑の妖精』や超大作『キリストの誕生』など1,000作品以上を手掛けた監督・製作・脚本家、アリス・ギイ。リュミエール兄弟やメリエスと並ぶパイオニアであり、ハリウッドの映画製作システムの原型を作り上げた世界初の女性監督は、なぜ映画史から忘れ去られたのか?A・ヴァルダ、M・スコセッシら映画界の重鎮に加え、アリス自身と彼女の親族らへの膨大なインタビューと緻密なリサーチ、アリス作品のフッテージの数々によってアリス・ギイの功績とその生涯をめぐる謎が今明らかになる。
ストーリーSTORY
「アリスを探して」 上野千鶴子(フェミニスト、社会学者)
歴史から消された女性はたくさんいる。ジョルジュ・サンドは男の名前で作品を書いた。
ヴァージニア・ウルフは「もしシェイクスピアに妹がいたら」と問いを立てたが、女性名だったら作品は世に知られず、舞台にもならなかっただろう。神童と謳われたアマデウス・モーツアルトには姉ナンネルがいたが、彼女の作曲した作品は弟のものとして流通した。指揮者に女はいないと言われるがベルリン・フィルには初の女性指揮者、アントニア・ブリコがいた。ノーベル平和賞の設立の陰にもベルタ・フォン・ズットナーという女性がいたことを知るひとはほとんどいない。アリス・ギイ(1873-1968)もそのひとりである。
今私たちが「動画」として知っている活動写真こと映画の歴史は浅い。1895 年リュミエール兄弟がパリで初めて映画を上映したことで、「映画の父」と呼ばれているが、その場に 22 歳のアリスがいた。
1896 年にアリスは初の劇映画「キャベツ畑の妖精」を制作する。それ以降、生涯に 1000 点以上の作品を世に送り出すが、映画史のなかからはみごとに姿を消された・・・。
キャストCAST
出演:アリス・ギイ=ブラシェ/シモーヌ・ブラシェ/ベン・キングズレー/マーティン・スコセッシ/アニエス・ヴァルダ 他
スタッフSTAFF
監督:パメラ・B・グリーン ナレーション:ジョディ・フォスター 製作:ロバート・レッドフォード 他