監督・脚本/佐藤智也
出演:イ・テギョン 阿部カ みょんふぁ 武田裕光 アグネス・チャン ウム・ソヨン ジョ・ハラ 周亜林 蔡仁堯 早川知子 王玫子 金暁明 ほか
韓国・中国・日本 ――― 海を超えてつながる、家族や愛する人たちの心
韓国、中国、日本にまたがるロケを企画。安東の民俗芸能、上海の近代都市など、それぞれの風土を利用して、国に関係なく人間に共通するサバイバーズ・ギルト、裏返せば〈誰かを思慕する気持ち〉を描く。
監督は『マレヒト』(95)、『L'Ilya〜イリヤ〜』(’00)、『舌〜デッドリー・サイレンス』(’04)などインディペンデントで映画を作りつづけてきた佐藤智也。2010年には本作の試作として、双子の女優を起用して短編『三つ子』(’10)を製作。韓国の大邱(テグ)短編映画祭、アメリカのドラゴン・コン映画祭で上映された。それから10年をかけて作られた本作『湖底の空』は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020において、審査員の満場一致でグランプリに選出され、シネガーアワードと合わせてW受賞となった。空と海をひとり二役で演じるのは、韓国インディペンデント映画のミューズ、イ・テギョン。その二人に振り回される望月に「花より男子」の美作あきら役で注目を集め、その後台湾の映画に出演するなどワールドワイドに活躍する阿部力。空と海の両親役に、日韓の演劇・映画などで活躍中のみょんふぁ、武田裕光。そしてアグネス・チャンが特別出演しているのも話題。国境のみならず、あらゆる境界を越えて傷ついた人々の心をつなぐ作品が誕生した!
〇ストーリー
空(そら)と海(かい)は、日本人の父・高志(たかし)と韓国人の母・チスクの間に生まれた一卵性双生児の姉弟。大きな湖があり、民族芸能が盛んな韓国・安東(アンドン)で生まれ育った。
現在、28歳となった空は中国・上海(シャンハイ)に暮らしている。イラストレーターとして仕事を得ようとするが、作品の売り込みはなかなかうまくいかない。出版社に勤める日本人の男性、望月隼人(もちづきはやと)が何かと空の絵を気にかけ、仕事を提供しようとする。異郷の地で暮らす二人は、似たような境遇から親密な関係を築きつつあった。