新脳感覚ジャパニーズサイレントムービー
捧げるのは愛ですか? それとも自己満足ですか?
日本で確立されていない未開拓映画ジャンル!!
21世紀型ジャパニーズ・サイレント・ムービーの到来!!
本作は映画原点に帰化する。チャップリン死後、半世紀が経過するもいまだ名作として世界から評価をされ現代へ伝承されている。本作は名作に秘められた映画が有する本来の力を抽出し、映像と音楽、そして俳優たちの芝居をもって映画原点・映画の本来の娯楽様相を再臨させる。それらは、時代に逆行しているようにもみえるが、現代の映画を担う人々・また一般人にとっては、斬新で真新しい作品として心に刻みつけられる
2008年『シルエット』で恋することで仾変した男と一途に愛を貫いた女を描き、2012年『ボレロ』では成功を機に天狗になった男とそれを支え続けた女を描いた。映画作りの手法をサイレントに主軸を置いている田島基博。俳優のエチュードで物語を紡いでいく画期的な演出法で登場人物のリアルさをあぶりだすのに定評がある。聞こえないセリフに耳を傾け、白黒の画面に色を想像していくと次々と物語が広がっていく。だから等身大の登場人物を身近な存在として捉えて強く共感し、物語にのめり込んでいく。それこそが田島が仕掛けたサイレントワールドの魅力。それは最新作『ディヴォート』でも存分に味わうことができる。今作で田島監督が描いたのは「一途な男と運命に翻弄される女」と「体やお金を捧げることが愛だと思っている人
間の成れの果て」。誰しもが行っている行為を別の視点から捉えたときに見えてくる欺瞞や偽善。このテーマをあえてサイレントで描くことにより、人間の性をあぶり出した作品として完成した。一途な男ナツオを映画やドラマに多数出演の片山享。運命に翻弄される女ハルをグラビアアイドルを経て、映画やドラマに活躍の場を広げた木嶋のりこが演じる。その他、借金まみれのハルの父親を演じる名バイプレイヤー菅原大吉をはじめ、豪華なキャスティングが実現した。また、劇中に出てくる漫画原稿を「週刊少年サンデー」で連載していた『今際の国のアリス』の麻生羽呂、『戦国八咫烏』の小林裕和が作成。G、3D全盛の時代にあえてサイレント映画の可能性を追求し続ける田島作品の挑戦がまた始まる
〇ストーリー
「捧げる」ことで人生が転落していく人間模様
29歳漫画家志望のナツオはアシスタントをしながらデビューを目指している。しかし、筆が進まず悶々とした日々を送る。唯一の趣味は近所のコンビニに通い、店員ハルに接客をしてもらうことだった。ひょんなことからハルと知り合えたナツオはハルの応援を得てデビューに向けて頑張るようになる。ナツオの作品が入選し、自信を付けたナツオはハルに告白することを決意する。しかし、ハルはナツオの前から姿を消してしまった。ハルはギャンブル狂の父親のためアルバイトで家計を支えている。しかし、父親の借金が原因でハルは風俗に身をやつす。偶然ハルと再会したナツオは事情を知り、何とかしてやりたいと考える。ちょうどその頃、売れない漫才師東田と南はコンビニ強盗を計画している。ハルの借金返済の為、職も家も失ったナツオはその計画を耳にし、先に実行してしまう。犯罪を犯したナツオはハルに一緒に遠くへ逃げようと持ちかける
〇キャスト
片山享 木嶋のりこ 菅原大吉
〇スタッフ
監督:田島基博 撮影:新井滋(J.S.C) メイク:富田貴代 助監督:田村専一 車両:高嶋義明 漫画作製:麻生羽呂、小林裕和 演出助手:宮原周平、吉田真由香 制作:石澤舞、佐藤美百季、山口龍大朗 プロデューサー:加藤啓介