ニッツ・アイランド 非人間のレポート
2024年/フランス/ 98分
イントロダクションINTRODUCTION
狂った“島”にようこそ ネトゲの島をのぞき見る
仮想世界にフランスの映画クルーが潜入インタビューを敢行!
仮想世界(オンライン)に存在する、ある“島”。そこを舞台に繰り広げられるサバイバル・ゲーム〈DayZ〉。その島にフランスの映画クルーが潜入し、963時間を過ごした──破壊と殺戮、快楽と友情。遭遇したプレイヤーや蔓延るゾンビを殺さなければ生き残ることができないモラルが崩壊した世界。カオスの世界で暴虐の限りを尽くす集団や“誰も殺さない”を信条とするグループ、自ら牧師と名乗りプレイヤーたちに信仰を施す人物……オンライン・ゲームの世界で愉悦にひたる人間(アバター)たちとの出会いを通して、クルーは人間の二面性に直面する。オフラインにいる生身の人間の存在をいやがおうにも感じながら、やがてクルーは、現実と仮想世界の境界を探索する旅へ向かう。その終着は果たしてどこなのか?
ほぼ全編がバーチャル空間で撮影された本作は、先鋭的なドキュメンタリーを上映する第54回ヴィジョン・デュ・レール(スイス)で国際批評家連盟賞を受賞したほか、山形国際ドキュメンタリー映画祭2023審査員特別賞受賞、台湾国際ドキュメンタリー映画祭審査員特別賞を受賞するなど、ドキュメンタリー映画として各国で高い評価を得ている。
ストーリーSTORY
オンライン上の架空の島で繰り広げられるサバイバル・ゲームの世界に潜入インタビューを敢行したエキエム、ギレム、カンタンのフランス人クルー。3人はそれぞれインタビュアー、技師、カメラマンの役割を担い、自らもサバイバルしながらアバターたちに遭遇を試み取材を重ねていく。仲間の〈死〉を悼む人、純粋に〈殺人〉を楽しむグループ、コミュニティをつくり定住しているグループ、現実逃避のために毎晩やって来る人、アバターたちの信仰の拠点となっている協会……多様な人やコミュニティを目撃し〈DayZ〉の世界の奥深くへと入っていく3人。ある時ゲームの“バグ”とも言えるある光景を目にした彼らは、やがて出会ったアバターたちとともに、この架空の“島”の果てを探す旅へと繰り出す。
スタッフSTAFF
監督:エキエム・バルビエ/ギレム・コース/カンタン・レルグアルク