『不思議惑星キンザザ』
1986/ソ連+ジョージア共和国/135分
公式サイト
イントロダクションINTRODUCTION
『不思議惑星キン・ザ・ザ』は,巨額の宣伝費をかけて、世界各地何千館で公
開されたわけでもないのに、人から人へと噂が伝わり、時を経るにつれ、さらに
いっそう広く、深く、世界中の人々の心をとらえるようになっていった映画であ
る。
1986 年にソ連での完成時の試写では、批評家からさんざんに不評だったこの映
画は、公開されるや若者の圧倒的な支持により、ソ連全土で 1520 万人という驚異
的な動員を成し遂げ、1987 年リオデジャネイロ国際映画祭でグラフィック・コン
セプション特別賞を受賞し、翌 1988 年には、ロシアのアカデミー賞に相当するニ
カ賞の音楽賞と音響賞を授与されている。
日本でも 1989 年に東京の池袋、文芸坐で開催された〈ソビエト SF 映画祭〉の
1本として上映されただけで、いっぺんに観客を魅了し、2001 年夏、ユーロスペ
ースを皮切りに日本国内各地で劇場公開。その後、15 年以上を経て、その勢いは
減速するどころか、ホームページまでできて大賑わいというのだから、人気のほ
どは知れよう。日本以外でも、ハンガリー・モンゴル・フランスからコンゴに至
る 20 か国以上に輸出されている。世界中の映画ファンの間では「キンザザ」だけ
で通用するほどの認知ぶりだ。
ストーリーSTORY
モスクワ、冬。技師マシコフは帰宅するなり妻に「マカロニを買ってきてく
れ」と頼まれ外出する。街角で地方出身らしいバイオリンを抱えた青年に「あ
そこに自分のことを異星人だという男がいる」と声をかけられて、関わるのは
面倒だから警察に、と提案するが「裸足で寒そうだから」という青年に付き合
って、その怪しい男と言葉を交わす。自称異星人は「この星のクロスナンバー
か座標を教えてくれ」と尋ねるが、まっとうなソ連市民であるマシコフはそん
な虚言を信じないで、男の手の中にあった〈空間移動装置〉を押してしまう。
瞬間、マシコフと青年は砂漠のど真ん中にワープしてしまった!
キャストCAST
ウエフ(太め):エヴゲーニー・レオノフ
ビー(ノッポ):ユーリー・ヤコヴレフ
マシコフ(おじさん/建築技師):スタニスラフ・リュブシン
ゲデバン(バイオリン弾き/学生)レヴァン・ガブリアゼ
スタッフSTAFF
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
脚本:レヴァス・ガブリアゼ+ゲオルギー・ダネリヤ
撮影:パーヴェル・レベシェフ
美術:アレクサンドル・サムレキン+テオドル・テジク
音楽:ギア・カンチェリ
製作:モスフィルム・スタジオ © Mosfilm Cinema Concern, 1986